オハラ☆ブレイク '16 夏 セッション企画
-オハラ☆ブレイクでの「すきっ腹のブルース」の世界-開催に寄せて

オハラ☆ブレイクと手塚治虫先生、そして「すきっ腹のブルース」との出会いはとても運命的な数々の出来事から始まっています。

2015年の開催を終えた直後、オハラ☆ブレイクのことをとっても熱心に応援してくださっている朝日新聞の方と次回に向けた企画内容を話し合っていたところ、その方から「手塚治虫先生の作品を何か取り上げたら良いと思う。」といったアドバイスを頂いたことがあり、唐突なご意見ながら、そのアドバイスがいつも気になっていました。

そんなある日、12月上旬頃、東京で忌野清志郎さんのライブ制作を行っていた方から、吉祥寺にて、沢山の漫画家やイラストレーターの方が参加されている「手塚治虫文化祭~キチムシ'15~」という手塚治虫先生の作品をトリビュートする展示が開催されていることを教えて頂き、そのトリビュート展に、忌野清志郎さんの長女でありゴム版画アート作家の百世さんも参加されていると伺ったので翌日、その展示を見に行くことにしました。
その展示に訪れていた方々の中には海外から来場されていた方もかなり多く、時代や国の壁を超えた、その求心力に、関心し、また、沢山の作家の方々が手塚治虫先生の作品を、各々の自由な発想で描かれている、その世界観が、展示会場いっぱいに広がっていました。

そのトリビュート展を見た後、オハラ☆ブレイクにて、手塚治虫先生の作品を何か取り上げる企画を行いたいといった想いが、確実なものになり、でも、果たして、あの会場で何を実施しようかと思い巡らせていた時、偶然、病院の待合室にて、手塚先生の「紙の砦」という歴史を感じさせる風合いの単行本に掲載されていた、「すきっ腹のブルース」という漫画に出会いました。

その漫画を読み終えた後、その漫画の中に詰まった、沢山のメッセージを自分なりに受け止め、作品の深さに感動を覚えました。
終戦直後ながら漫画を描くことに情熱を注いだ、手塚先生をモデルとした主人公の様々な感情食べ物の大切さ、人間の欲求、等など。

自分自身が「すきっ腹のブルース」から感じたことを、オハラ☆ブレイクの開催を通じてご来場頂く皆さんに伝えたいという一心でこの企画を組みました。

オハラ☆ブレイクの開催会場では、「すきっ腹のブルース」を読んだあとにインスピレーションを受けた美術家達による美術作品の展示が屋外に展示され、森の中のロッジでは「すきっ腹のブルース」の複製原画とともに、会津クラフトを今に継承するキュレーターによる工芸品。そして、今回の、出会いを繋いで下さった百世さんのゴム版画アート作品が飾られます。

そして、週末イベントでは、「すきっ腹のブルース」を読み描いた歌を歌うライブも数組実施されます。

更に、今回の企画の記念とし、百世さんに表紙を担当頂き、『オハラ☆ブレイクと「すきっ腹のブルース」』と題した、オハラ☆ブレイク選出の手塚作品のオムニバス・マガジンを作成致しました。

ご説明、長くなりましたが、今年偶然にも出会えた手塚治虫作品とのセッション企画-オハラ☆ブレイクでの「すきっ腹のブルース」の世界-を楽しんで頂けたら幸いです。

2016年夏
オハラ☆ブレイク 実行委員 菅 真良